水素バリアー性フィルムとしては、たとえば、クレハ(社)製のベセーラ®があります。 このフィルムは水素の透過性が低いので、数日間の実験で水素の漏れは極くわずかでした。 またフィルムは透明なので、シアノバクテリアの光合成水素生産に適しています。
太陽光強度を1,500kWh㎡/年、エネルギー変換効率を1.2%(当面の目標値)と仮定すると、 生産される水素は18kWh㎡/年、精製/運搬にこの半分が使われるとすると、 最終的に得られる水素エネルギーは9kWh㎡/年程度です。 したがって、バイオリアクターの低コスト化が必須です。
私たちは、3層のプラスチックバッグからなるバイオリアクターを提案しています。 淡水ベースの培養液を入れたバイオリアクターを海水、汽水、塩湖水に浮かべれば、 比重差によりバイオリアクターは薄く拡がり、光合成生物による物質生産にとって好適な状況が自然に達成できます。 3層のバッグの内層は培養液保持、中層は水素バリアー、外層は保護用の強度の高いものです。 使用後のプラスチックフィルムは、リサイクルにより、経費及びエネルギーの削減ができます。