光合成水素生産研究所
シアノバクテリアによる 水素生産
ヒドロゲナーゼの遺伝子を破壊により、 水素生産性が大幅に向上

窒素固定をするシアノバクテリアの全遺伝子配列(ゲノム情報)は、 かずさDNA研究所により2002年にNostoc/Anabaena sp. PCC 7120について、世界で始めて明らかにされました。 ゲノム情報からこの株は、取り込み方(Hup)と双方向性(Hox)の2種類のヒドロゲナーゼを持つことが分かりました。

そこで私たちは、どちらか一方の遺伝子を分断破壊した株を2種類(以下 ΔhupL, ΔhoxH)と、 両方を破壊した株(ΔhupL/ΔhoxH)、の合計3種類の変異株を作成し、その水素生産性について調べました。

その結果、Hupの遺伝子を破壊した ΔhupL 株と ΔhupL/ΔhoxH 株とでは、野生株(wild-type)に比べて水素の蓄積が、 4-7倍に増大することが実証できました(1時間の測定で)。 Hoxの遺伝子を破壊した ΔhoxH 株ではこのような水素蓄積の増大は見られませんでした。 (参考文献 Masukawa et al. 2002)

ニトロゲナーゼおよびヒドロゲナーゼに関する変異株を複数作出し、水素生産活性を比較した。

更に効率の高い株を作成